盗聴されない技術の開発

提唱されている技術

盗聴器は今や従来のものから身近に扱っているスマホにすら侵食している。本当に落ち着いて暮らせなくなっている時代に差し掛かっているのかもしれません。だからこそ個人の情報はきちんと自分で管理して、セキュリティをしっかりとするという自覚を持たなくてはならない。ただどんなに気をつけていても、技術や知識の問題で詳しくても知らぬ間におかしなプログラムが侵入していた、というのもよくある話だ。入りこんだことを知らないまま使用して、気付けば自分の個人情報が良いように流されていたと気づいても、流れてしまった後ではどうしようもない。

盗聴アプリであれば誰の会話でも録音することが出来るようになっているので、おちおち大事な話をすることも出来ない。またスマホは常に携帯しているため、知らずして企業内部の重大な情報が同業他社に知られてしまった、といった事になっても手遅れだ。

しかし現状盗聴アプリについては発見やされているかもしれないと感知するシステムは開発されていません。それでは怯えるしかないのかと言えば、そうでもない。まだまだ技術開発段階ではあるが、スマホ向けの盗聴されない通信技術についても、理論が提唱されています。

その理論とは『量子暗号』と呼ばれる暗号技術の一種だ。

暗号技術としての通信手段

現在インターネット上での暗号通信といえば『SSL通信』が主流だ。略称は知らなくても、時折表記されるこの3つのアルファベットの並びは見たことがあると思います。ただこの暗号通信はあくまでデータ通信のみの対応となっているので、通話などには適していない。盗聴アプリでは通話履歴、それこそ何を話しているのかを聞き取るためにあるものなので、電話越しでの通話が第三者に聞かれないようにとの対策はかなり急がれている。

そうした中でNTTが提唱したのが量子暗号と呼ばれる暗号通信技術で、この技術が本格的に完成すれば‘絶対に盗聴されることはない'とまで言われている。随分と啖呵切った強気の自身だと感じるでしょうが、それだけこの技術が凄いことの証明でもある。

量子とは何か

理工学的な話になってしまうが、簡単に説明していくとこんなところだ。量子暗号とは素粒子、いわゆる物質を構成する最小の単位のものでその中の1つに分類される『光子』を重ねあわせて使う事により、通信時の送受信間における秘密鍵として運用していくことが出来るのだ。光子を何重にも重ねているため、観測する側としては量子状態が変質しているために外部の人間が傍受しても聞き取ることは出来ないのです。

この技術が本格的に開発されれば国家での運用はもちろん、その他の特に秘匿性が重要視されるものなどに応用すれば露見することはないと言われています。こういう話をしていると夢があって良いなと感じるものですが、技術として解剖するには流石に専門外すぎるので、詰まるところ本当に出来上がれば凄いものだという解釈で十分だ。

欠点として

ただそんな量子暗号にも弱点はある。どんな弱点かといえば、秘密保護を優先するとしたらやはり距離的な長さが限定されてしまいます。この量子暗号についても例外ではなく、技術開発に成功しても次に出てくる問題が『通信距離の短さ』という問題が浮上してくるのです。都心ならば問題ないが、この技術では首相官邸と地方県庁とも一部と連絡を取り合うことが出来ないのです。

目下の課題とするならどれだけ通信距離を伸ばせるかだ。現在のところ理論では400km、開発が進めば800kmまで伸ばせられると考えられています。そしてゆくゆくは世界への情報伝達をも出来るかが焦点となってきます。理論は沢山あっても実現までには長い道のりが伴うのが現在の量子暗号の実態だ。

量子通信という分野

技術者でなくてはわからない分野ではありませんが、もし開発されて民間にも応用されるようになればスマホなどの高性能端末であっても、盗聴される心配は激減します。もっと言えば守秘回線のような物を使えれば話は早いですが、一般人がそんな大それた物を使用できるほどの会話をするかといえばそうでもない。

もし実現したとするならまずは企業、続いて市民の生活といった感じか。もしかしたら市民には必要ではないと判断される可能性も否定できませんが、こうプライバシーもクソもない問題が連続して起こっていると、利用しなくていいという暴論は通らなさそうだ。もちろん秘匿性の高さにもよりけりだが、予想されるのはそれなりの負担が伴う有料通信としての利用が一番落ち着くかと思われる着地点か。この話題がどう進展していくのか、その辺も気になる話題でしょう。

盗聴・盗撮もスマホで手軽に出来てしまう時代